アーツアンドクラフツ・アールヌーボーの家具

アーツアンドクラフツ・アールヌーボーの家具

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インテリア用語辞典


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大量生産に対する反感

優美さを追求することは、一定量のにせ物を生みだすことになった。安物の木材に化粧板がはられるようになり、やすいハイカラな家具には彫刻も象嵌もほとんどほどこされなかった。

A. アーツ・アンド・クラフツの家具

アーツ・アンド・クラフツの家具アーツ・アンド・クラフツの家具大量生産されるにせ物に対する反動として、1861年アーツ・アンド・クラフツ運動がイギリスの詩人でデザイナーでもあったウィリアム・モリスによってはじめられる。モリスは、建築家のフィリップ・ウェッブやラファエル前派の画家フォード・マドックス・ブラウン、バーン・ジョーンズといった仲間とともに、中世の手工芸の伝統に回帰することを追求した。このグループは、装飾的工芸品のあらゆる分野のものを美術といえるレベルまであげようとした。

家具もふくめて彼らが製作したものは、その美しさと完成された職人芸ゆえに、大きな賞賛をあつめ、ひろくコピーされることになった。1890年代までにこの運動はヨーロッパ大陸や北アメリカにもひろまっていた。モリスやその後継者たちの影響力は大きく、彼らのデザインは現代家具のデザインの源泉と考えられた。

モリスの思想は、イギリスの建築家・作家チャールズ・イーストレイクの著書「家具、室内装飾、ディテールのヒント」(1868)によって、ひろく知られるようになった。イーストレイクは、オークや果樹でつくったいなかの家具にみるような、シンプルで直線的なデザインにもどることを主張した。イーストレイクの本が装飾のバイブルになったアメリカでは、シンプルな家具に黒檀まがいの着色やめっき、象嵌などをした豪華な装飾をつけることも、ときにはあった。

B. アール・ヌーボーの家具

B. アール・ヌーボーの家具アーツ・アンド・クラフツ運動によって、直接はぐくまれた様式にアール・ヌーボーがある。アール・ヌーボーは19世紀末から20世紀初頭にかけて、芸術のあらゆる分野で盛んになった様式で、うねるような有機的な形態にその特徴がある。家具の分野で初期に活躍した人としては、ベルギーの建築家アンリ・バン・デ・ベルデやオルタがいる。彼らは、みずから設計した建築空間のうねるような形態をより完璧なものにするようなデザインの家具で、建築の内部を構成した。

フランスでは、パリの地下鉄駅入口の設計で知られるギマールが、非対称で、彫刻がほどこされた自由な形の家具をデザインしている。また、ガラス作家エミール・ガレも植物や花のモティーフがちりばめられた、華やかなアール・ヌーボーの家具のいくつかをデザインしている。ルイ・マジョレルも、自然の形態に啓発された豪華な家具を製作しており、第1次世界大戦後はアール・デコの有名なデザイナーになる。

スコットランドの建築家マッキントッシュも、アール・ヌーボーを独自に解釈して、上品でうつくしい家具を製作した。その特徴として、オーク材を白くぬり、さらに植物の形を抽象化した優美な象嵌や金属やステンド・グラスで装飾する点がある。


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