新古典主義の家具について

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新古典主義の家具

新古典主義の家具新古典主義は、ロココ様式に対する古典主義の反動として、ロココ様式がまだ盛んだった時代からみられるようになった様式である。新古典主義のデザイナーたちは、ルネサンス様式よりもさらに古代ギリシャ・ローマの源までさかのぼることを主張した。しかし、18世紀の趣向にあわせ、またロココ様式に飽き飽きしていた人々にうけいれられるよう、古代の手本をそのまま利用するのではなく、モティーフを小さくして優美な装飾になるように工夫した。

この新古典主義のデザインをだれがはじめたかは、議論のわかれる問題だが、アダム兄弟のひとり、建築家ロバート・アダムが1760年以前に新古典主義のデザインをとりいれている点は注目されてよい。いっぽう、パリでも、ほぼ同じころに美術品収集家ジュリーがギリシャ風あるいは新古典主義的な家具をそなえつけた部屋をつくっている。そして、イギリス、フランスやそのほかの国々の芸術家たちもローマやアテネの遺跡が研究に値することに気がつき、歴史はデザイン研究の一分野として認識されるようになった。初期の作品はデザイナーたちが思っているほどローマ的なものではなかったが、短期間の間により純粋な歴史主義へと発展した。

A. フランスの新古典主義

フランスにおける新古典主義の最初の形式はルイ16世様式とよばれる。ただし、彼の治世は1774年にはじまるが、最初のルイ16世様式の作品はそれよりいくらか前からつくられている。

このルイ16世様式が古典主義的傾向を強くもっていることは、ギリシャ・ローマ起源のさまざまなモティーフをみれば明らかである。さらに、全体の形も新しい様式を反映している。すなわち、長方形・円形・楕円(だえん)形などの板を、まっすぐで先細りの四角柱や円柱の脚の上にのせただけの、シンプルで幾何学的な形が家具にとりいれられたのである。花綱やドレープ飾り、メダイヨン、軒の歯飾りやドリス式・イオニア式・コリント式のくり形のような建築のモティーフ、それらに関連する多くのディテールが新古典主義の家具の装飾として利用された。

B. イギリスの新古典主義

イギリスではこの時期、ペンキをぬった家具が一般的になり、ロココ時代にほとんど消滅してしまった象嵌装飾に対する関心も復活することになった。新古典主義様式の作品も増加をつづけ、新しい家具の形や装飾を提案した本もいくつか出版された。ジョージ・ヘプルホワイトの死後、1788年に出版された彼の著書「家具製造業者・家具商便覧」には、新古典主義のデザインを模索する家具職人たちにこたえるため、フランスや伝統的なイギリスのデザインを新古典主義風に修正した案がいくつかしめされていた。なかでももっとも有名なのは、盾形の背もたれをもつシールド・バック・チェアである。

イギリスで一般化した新古典主義のデザインの多くは、このヘプルホワイトか「家具師・家具商意匠便覧」をあらわしたトーマス・シェラトンによるとされている。シェラトンの本は、1791年にその一部が出版され、1802年に全巻が完成した。そこには、よりいっそう古典主義的なデザインがいろいろとりあげられているのだが、一般にシェラトン風とされているのは、1791年刊の本にしめされている長方形の椅子の背である。


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